宮城県の農林水産業では「ササニシキ」や「ひとめぼれ」「だて正夢」などの多様な米の生産のほか、東北一のイチゴの生産量を誇りその名も「仙台イチゴ」というブランド名で親しまれています。漁業面では、まぐろ類やさんまなどが水揚げされ、かき類などの養殖も盛んで全国屈指の水産県です。
ちなみに、パプリカ・せり・ぎんざけ(養殖)・さめ類は日本一の収穫量（漁獲量）を誇っています。
老若男女問わず愛されている「ずんだ餅」、宮城県が発祥で誰もが知る有名な食べ物と言えば…「笹かまぼこ」、「冷やし中華」に「牛タン焼き」などのご当地グルメも豊富。

また、東京などに比べて宮城県は物価水準が低く、家賃相場も安い…さらに気候に関しては、夏場はそこまで暑くならず真夏日なども少ないため夏は比較的過ごしやすいという特徴がありながら、東北地方の中では冬も温暖且つ積雪量も少ない地域なため、暮らしやすい環境が整っています。

今回は、そんな魅力溢れる宮城県の医療の現状について詳しくご紹介していきます。

近年、宮城県では高齢化率が高まっていて、二次保健医療圏別で見ると仙台医療圏以外の3つの医療圏で65歳以上人口割合（高齢化率）が30％を超えています。介護だけでなく「医療」の需要はさらに増加していると言えます。
宮城県で医師として働くこと考えている方の中には「宮城県の医師の年収相場が知りたい！」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、宮城県で転職を考えている医師の方向けに、宮城県における医師の年収相場や最新の医療の現状などをご紹介します。施設形態別で全国および宮城県の医師の年収相場についても同時に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

宮城県の医療の現状について

宮城県の人口(推計)は、総数2,267,422人（男性1,105,761人/女性1,161,661人）となっています。（令和5年6月1日時点）
宮城県の県庁所在地であり、東北最大の都市ともいわれる「宮城県仙台市」は、東北地方で唯一の政令指定都市として指定されています。

宮城県の医師数(総数)は5,950人、そのうち医療施設の従事者は5,669人と全国で第14位と上位にランクインする結果となっています。男女比でみるとそれぞれ「男性医師」は4,549人、「女性医師」が1,120人となっています。
宮城県の人口10万人対医師数(総数)も見てみると、258.5人と全国平均269.2人よりもやや低い水準となっているようです。(令和2年12月31日時点)

令和3年度の医療施設調査では、宮城県には136施設の病院(全国で20第位)、その中で一般病院が109施設、精神病院が27施設あります。そして1,713施設のクリニック(全国で第14位)が位置しており、東北六県の中でも医療施設数No.1を誇っています。前年度と比べてみると、病院数は変わらないもののクリニック数は27施設増加となっています。
宮城の人口10万対の施設数は病院5.9施設でクリニックは74.8施設となっていて、全国平均（病院6.5施設/クリニック83.1施設）と比較するとどちらも下回る結果となっているようです。
病床数に関しては、病院が24,638床でクリニックが1,411床となっていて、前年度と比べるとそれぞれ病院が221床減少、クリニックが23床減少です。
人口10万対の病床数を見てみると、病院が1075.9床でクリニックが61.6床とどちらも全国平均(病院1195.2床/クリニック66.7床)を下回っています。前年度との比較はそれぞれ病院が4.0床減少、クリニックが0.7床減少です。

次は、二次保健医療圏について見ていきましょう。
宮城県における二次保健医療圏は、下記の市町村で構成される4つの医療圏となっています。

二次保健医療圏	構成市町名
仙南医療圏	白石市，角田市，刈田郡，柴田郡，伊具郡
仙台医療圏	仙台市，塩竈市，名取市，多賀城市，岩沼市，富谷市，亘理郡，宮城郡，黒川郡
大崎・栗原医療圏	栗原市，大崎市，加美郡，遠田郡
石巻・登米・気仙沼医療圏	石巻市，気仙沼市，登米市，東松島市，牡鹿郡，本吉郡

県内で最も医師数が多いエリアは「仙台医療圏」となっており「医師多数区域」に指定されています。このエリアは医師だけでなく医療機関も集中していて、4つの医療圏の中で医療施設（病院/クリニック含む）の数もNO.1です。その数は1,000施設を超えています。

一方で、仙南医療圏、大崎・栗原医療圏、石巻・登米・気仙沼医療圏に関しては「医師少数区域」とされており、中でも最も医師数が少なく且つ医療施設数（病院/クリニック含む）も少ないエリアが「仙南医療圏」となっているようです。
仙南医療圏の人口・面積とも4つの医療圏の中で最も小規模となっていて、今後も人口減少が見込まれています。同医療圏は、南は“福島県”と西は“山形県”に隣接しているためか、他県の医療機関を受診する住民が多く見受けられるのも特徴でしょう。そのため圏域内の医療機関だけでなく、他県の医療機関とも連携する必要があるといえます。

宮城県では、みやぎドクターバンク事業や医学生修学資金貸付事業、自治医科大学関連事業の取り組みなどをはじめとする医師確保のさまざまな取り組みを行っています。
その他にも、医学生・研修医等のライフステージに応じたさまざまな支援、勤務環境改善に向けた取り組みの推進、東北大学と連携した不足する診療科の医師養成・配置事業など。

医師確保対策について、同県における詳しい現状と課題・具体的な取り組み内容、個別の診療科における医師確保計画や2次医療圏別の医師確保の方針等は下記をご確認ください。

※出典：みやぎの医師確保の取組み/
https://www.pref.miyagi.jp/site/doctor/index.html ）

※出典：宮城県医師確保計画/
https://www.pref.miyagi.jp/documents/11391/823974_1.pdf ）

※出典：宮城県　地域医療計画/
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/iryou/rmpindex.html ）

※出典：「第7次宮城県地域医療計画の中間見直し」/
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/iryou/iryoukeikaku/7zityuukannminaoshi.html ）

※出典：令和３（2021）年医療施設（動態）調査・病院報告の概況/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/21/ ）

宮城県における医師の年収相場

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、全国の医師の平均年収（男女）は1,428.8万円です。（平均年齢45.6歳、勤続年数6.6年）宮城県における医師の平均年収（男女）は1,290.5万円（平均年齢47.8歳、勤続年数6.6年、月間労働170時間）のため、全国平均を下回る結果となっています。

東北五県（青森・岩手・秋田・山形・福島）にはそれぞれ医学部は1つしかありませんが、宮城県内で医学部を持つのは「東北大学」と「東北医科薬科大学」の2つの大学です。
また前述したように、宮城県は他の東北五県と比べても人口密度が高く、比較的医師の数も多いことから年収相場は低めの傾向にあるといえます。
しかしながら、大都市部（東京都など）の平均年収と比較すると高い水準のようです。

もちろん医療機関や法人、業務内容などによっても年収は違ってくるため、あくまでも参考程度でお考え下さい。
※上記の平均年収は、きまって支給する現金給与額×12＋年間賞与その他特別給与額で算出しています。

※出典：厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/ ）

【施設形態別】宮城県における医師の年収相場

医師キャリでは宮城県の常勤医師求人が300件近く掲載されています。中でも一般急性期病院とケアミックス病院の求人が多い傾向のようですね。
ここでは、宮城県の医師の年収相場を4つの施設形態別にご紹介します。それぞれ施設形態別の求人の傾向なども一部記載していますので、参考にしてください。
※なおデータに関しては、医師キャリに掲載されている求人情報をもとに算出した数値です。

クリニック

宮城県のクリニックから出ている求人には、福利厚生が充実していて残業も基本なくメリハリ勤務可能なクリニック求人や、当直無し求人、ゆったり落ち着いた環境やメディカルスタッフが揃っていて働きやすい環境が魅力の求人などが多くあるようです。

他には、週3日勤務OK・内視鏡件数や患者数を増やしていただける先生も歓迎のクリニック求人（職務内容：外来・訪問診療）や、救急対応なし/残業なし/駅チカ・通勤便利/週4日勤務OKで外来のみのクリニック求人などもありました。

一般急性期病院

宮城県で一般急性期病院の常勤医師求人は、100件以上あります。
また一般急性期病院の求人が多いエリアは「宮城県仙台市」となっているようです。

宮城県の一般急性期病院の求人には、週4日勤務OKで急性期から慢性期まで幅広く診る事が可能な求人や複数名体制で安心勤務の病院求人などが多数。
もちろん年収1,800万円以上相談可能な求人や週3日勤務OKの求人もいくつかあります。

ケアミックス病院

宮城県でケアミックスの常勤医師求人は、70件以上あります。
宮城県のケアミックス病院の求人には、定時帰宅可能で環境整備も柔軟に対応できる病院求人や勤務時間相談可能な求人、週3日勤務または週4日勤務が可能な求人などが目立ちます。週3日勤務などの求人は、精神的な余裕を持つことができるだけでなく、空いた時間を有効活用したい先生方にとってピッタリの環境ではないでしょうか。

他には、土日祝休み/残業なし/メリハリ勤務可能/高額年収（1800万円以上）が目指せる病院求人（募集科目：小児科）などもありました。

精神科病院

精神科病院の求人が多いエリアは「宮城県仙台市」「宮城県岩沼市」などのようです。
宮城県の精神科病院の求人には、定時帰宅OKで環境整備において柔軟に対応できるのが魅力の病院求人や、常勤複数名体制のため安心して勤務できる環境が魅力の求人などが多数あるようです。

他にも、高額年収(1,800万円)/通勤便利・駅チカ好立地/シニア医師活躍中/勤務週4日以下OKの病院求人などもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

今回は宮城県で転職または移住などを考えている医師の方向けに、最新の医療の現状や医師の年収相場をご紹介しました。

近年では、全国および宮城県内でも医師数は増加傾向で、今後も医師数は増加傾向が続くものと見込まれています。しかしながら、都市部や人気の診療科に医師が集中するなどして、地方や一部診療科での医師の確保は大きな課題となっています。

改めて、宮城県における医師の平均年収は全国平均と比較すると若干低いものの、東北地方の中では岩手県に次いで2番目に多い求人数となっています。（医師キャリ調べ）
施設形態別の傾向を見ても高額年収が目指せる求人は複数ございますので、年収1,800万円以上を稼ぐチャンスは十分にあります。

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