広島平和記念碑（原爆ドーム）と嚴島神社といった2つの世界遺産をはじめ、温暖な瀬戸内海式気候を生かした柑橘類の栽培などが盛んで国産レモンは全国1位の生産量を誇る「広島県」。その他にも、広島お好み焼（広島焼）やもみじ饅頭、広島県の名物「牡蠣」などのご当地グルメがたくさんあります。
また海水浴や冬のスキーだけでなく、広島には名山が多数存在することから登山も楽しめるんだとか。1年を通して温暖且つ降水量が少ない、晴れが多い気候のためとても暮らしやすいところも広島の魅力のようです。

今回は、そんな魅力溢れる広島県の医療の現状について詳しくご紹介していきます。

広島県で「医師」として従事する際は、どれくらいの年収(給料)を得られるのか事前に把握しておくことが大切です。しっかりと確認しておけば、安心して働くことができるでしょう。
この記事では、広島県で転職を考えている医師の方向けに、広島県における医師の年収相場や最新の医療の現状などをご紹介します。施設形態別で全国および広島県の医師の年収相場についても同時に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

広島県の医療の現状について

広島県の人口(推計)は、総数2,744,334人（男性1,330,850人/女性1,413,484人）となっています。（令和5年6月1日時点）
推計人口の推移を見ると、平成10年の約288万人をピークにそれ以降は緩やかに減少しているようですが、中国地方で人口最多および最大の都市は広島県（広島市）となっています。
広島県の医師数(総数)は7,805人、そのうち医療施設の従事者は7,478人と全国で第12位と上位にランクインする結果となっています。ちなみに医師数(総数)と医療施設の従事者数ともに、中国地方の中では広島県がトップです。男女比でみるとそれぞれ「男性医師」は5,877人、「女性医師」が1,601人となっています。
広島県の人口10万人対医師数(総数)も見てみると、278.8人と全国平均269.2人よりも高い水準となっているようです。(令和2年12月31日時点)

令和3年度の医療施設調査では、広島県には235施設の病院(全国で10第位)、その中で一般病院が204施設、精神病院が31施設あります。そして2,534施設のクリニック(全国で第11位)が位置しており、病院・クリニックともに前年度と比べるとほぼ変わらない結果となっています。広島の人口10万対の施設数は病院8.5施設でクリニックは91.2施設となっていて、全国平均（病院6.5施設/クリニック83.1施設）と比較するとどちらも上回る結果となっていることが分かりますね。

病床数に関しては、病院が37,765床でクリニックが2,519床となっていて、前年度と比べるとそれぞれ病院が231床減少、クリニックが100床減少です。
人口10万対の病床数を見てみると病院が1358.5床でクリニックが90.6床と、どちらも全国平均(病院1195.2床/クリニック66.7床)を大きく上回っています。前年度との比較はそれぞれ病院が1.4床増加、クリニックが2.9床減少です。

次は、二次保健医療圏について見ていきましょう。
広島県における二次保健医療圏は、下記の市町村で構成される7つの医療圏となっています。

二次保健医療圏	構成市町名
広島保健医療圏	広島市、安芸高田市、府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町
広島西保健医療圏	大竹市、廿日市市
呉保健医療圏	呉市、江田島市
広島中央保健医療圏	竹原市、東広島市、大崎上島町
尾三保健医療圏	三原市、尾道市、世羅町
福山･府中保健医療圏	福山市、府中市、神石高原町
備北保健医療圏	三次市、庄原市

県内で最も医師数が多いエリアは、「広島医療圏」となっていて、このエリアは7つの医療圏の中で最も人口が多くまた医療施設数（病院/クリニック）もNO.1です。次に医師数が多いエリアとして福山・府中医療圏、呉医療圏と続いています。
一方で、最も医師数が少ないエリアは「備北医療圏」です。圏域の面積が広く大きいだけでなく山間部や谷あいの奥に集落が多くあるなど、住民が容易に医療機関を利用することが難しいため（交通アクセスが困難）外来医療を担う医師が十分とは言えない状況にあるようです。

広島県では、広島県医師会、広島大学等の参画によって「財団法人広島県地域保健医療推進機構」（平成25年から「公益財団法人」に移行）を設立しました。同機構内には「広島県地域医療支援センター」が設置され、医師の確保と定着促進、さらには人材育成等につなげるさまざまな取り組みを進めています。

下記は取り組みの一部です。
・自治医科大学での医師育成・派遣
・大学医学部寄附講座の設置
・広島県地域医療支援センターによる求職者・求人者間のあっせん
・プライマリ・ケア医の育成等
・中山間地域等での医師確保と人材育成支援
・次代を担う人材育成の取組（高校生医療体験セミナー等）
・女性医師等の就業等支援

また、広島県の地域医療の情報ネットワークである「ふるさとドクターネット広島」では、県内の臨床研修病院や専門研修プログラムの情報発信、広島で就業した医師・指導医・研修医・女性医師などへのインタビュー掲載など、県内の地域医療に関するさまざまな情報提供を行っています。

医師確保対策について、同県における詳しい現状と課題・具体的な取り組み内容、個別の診療科における医師確保計画や2次医療圏別の医師確保の方針等は下記をご確認ください。

※出典：医師の確保及び外来医療に係る医療提供体制の確保に関する計画/
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/64/ishikakuho-gairaiiryoukeikaku.html ）

※出典：広島県保健医療計画　（第７次）/
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/64/hokeniryoukeikaku-7.html ）

※出典：広島県保健医療計画　（第７次）の中間見直し/
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/64/hokeniryoukeikaku-7minaoshi.html ）

※出典：令和３（2021）年医療施設（動態）調査・病院報告の概況/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/21/ ）

広島県における医師の年収相場

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、全国の医師の平均年収（男女）は1,428.8万円です。（平均年齢45.6歳、勤続年数6.6年）
広島県における医師の平均年収（男女）は1,353.9万円（平均年齢49.4歳、勤続年数10.3年、月間労働167時間）のため、全国平均を下回る結果となっているようです。
平均年齢と勤続年数に関しては、広島がいずれも全国平均を上回っていますね。

特に福山市・広島市・東広島市・呉市などの地域では、「高額年収（1800万円以上）」を目指せる医師求人が多い傾向にあるため、転職において年収アップを重視する先生方はぜひチェックしてみてください。

もちろん医療機関や法人、業務内容などによっても年収は違ってくるため、あくまでも参考程度でお考え下さい。
※上記の平均年収は、きまって支給する現金給与額×12＋年間賞与その他特別給与額で算出しています。

※出典：厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/ ）

【施設形態別】広島県における医師の年収相場

医師キャリでは広島県の常勤医師求人が300件近く掲載されています。中でも一般急性期病院とケアミックス病院の求人が多い傾向のようですね。

ここでは、広島県の医師の年収相場を7つの施設形態別に紹介します。それぞれ施設形態別の求人の傾向なども一部記載していますので、参考にしてください。
※なおデータに関しては、医師キャリに掲載されている求人情報をもとに算出した数値です。

クリニック

広島県のクリニックから出ている求人には、当直なしの医師求人や週4日以下勤務が可能なクリニック求人が多数見受けられます。
週4日勤務が可能な医療機関に転職することができれば、プライベートと仕事を両立しやすいだけでなく、さらなる集中力アップや生産性の向上効果が期待できるなどのメリットがあるでしょう。一般的に週4日勤務は給料水準が下がる傾向にありますが、広島県で勤務週4日以下のクリニック求人のなかには、高額年収（1800万円以上）を目指せる求人もいくつかあります。

その他には、転科OK・未経験可能/駅チカ・通勤便利/当直なし/高額年収を目指せる新規開院予定のAGA・EDクリニックの管理医師の募集求人、内視鏡可能な先生歓迎！地域医療に携わることができるクリニック求人（職務内容：外来、訪問診療、内視鏡）などもありました。

介護老人保健施設

広島県の介護老人保健施設から出ている求人には、勤務週4日以下で土日祝休みの介護老人保健施設の求人や当直無し/転科OK・未経験可能な人気の老健求人などがあります。
土日祝休みで当直もない介護老人保健施設に転職できると、ワークライフバランスが取りやすい傾向です。オンオフのメリハリをつけた働き方を実現できるでしょう。

リハビリテーション病院

広島県にあるリハビリテーション病院の求人の特徴は、専門医指定医取得（認定施設）可能な求人や当直/残業無しのゆったり勤務が魅力の病院求人、週4.5日勤務相談可能な求人などが見受けられます。
また高額年収（1800万円や2000万円）を目指せる求人や、未経験でもリハビリにご興味のある先生は応募可能な求人もありました。

一般急性期病院

広島県の一般急性期病院の求人には、「症例件数充実」「地域医療に貢献できる」「駅チカ・通勤便利」求人が多くあるようです。中には「託児所あり」の病院もあるため、特に子育て中の方にとって安心して働ける職場環境が整っていると言えるでしょう。

他にも、高額年収（1800万円以上）を目指せる/勤務週4日以下で土日祝休みのゆったり勤務/救急指定無しの常勤医師求人（募集科目：整形外科）などもあるようです。

ケアミックス病院

広島県でケアミックスの常勤医師求人は、100件以上あるようです。
広島県でケアミックス病院の求人が多いエリアは、福山市・東広島市・広島市など。

また広島県のケアミックス病院の求人には、週4日勤務や土日祝日休み相談可能な求人や、当直なし/オンコール無しの比較的ゆったり勤務の求人が多い印象です。

療養型病院

広島県の療養型病院の求人には、オペ無し/オンコール無し・病棟管理メインの求人や、勤務週4日以下で土日祝休みのゆったり勤務が多い傾向です。

中には、当直・残業なし/重症心身障害児施設の常勤医師求人（募集科目：一般内科、消化器内科、内科系）や老年医療に関心ある医師にオススメ！救急対応なしでシニア医師も活躍中の一般内科/老年内科医師募集の求人などもありました。

精神科病院

広島県の精神科病院の求人には、「指定医取得可能」「高額年収」「週4勤務OK」などの求人が多く見受けられます。

他にも、精神科指定医歓迎！当直・残業なし/土日祝休み/高額年収（1800万円以上）も目指せる医療法人や、年俸2,500万円可/オンコール無し/週4日勤務可/精神科の常勤医師求人などもありました。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

広島県の人口(総数)は減る一方で、65歳以上の高齢者人口比率が増加傾向にあることが特徴でしょう。介護サービスだけでなく医療の需要と供給の均衡を保つため、県内においては医師確保・育成のためにさまざまな取り組みが進められています。

広島県における医師の平均年収は、全国平均と比較すると若干低いものの、中国地方の中では医師の求人数が最も多い結果となっています。（医師キャリ調べ）また、施設形態別の傾向を見ても高額年収が目指せる求人は多数ございますので、年収1,800万円以上を稼ぐチャンスは十分にあります。

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広島県の医師の求人を探す際は、ぜひ医師キャリにご相談ください。