瀬戸内式気候に属し、太平洋側に比べて比較的降水量が少なく晴れの日が多い「愛媛県」。
柑橘類の収穫量・生産量・品種数・産出額など、多数の要素で全国トップクラスであり、まさに「柑橘王国」とも呼ばれています。
さらに、安心・安全・高品質なジャパンクオリティの代表製品として国内外から高い支持を誇る「今治タオル」など。
今回は、魅力溢れる愛媛県の医療の現状について詳しくご紹介していきます。

実は、四国地方の中で最も人口が多く且つ医師数も多い、さらには年収相場も高い水準にあるんです。愛媛県で医師の転職を検討している先生方は、転職した後の満足度や生活をイメージするためにも「年収の相場」を知っておくことはとても大切でしょう。

この記事では、愛媛県で転職を考えている医師の方向けに、愛媛県における医師の年収相場や最新の医療の現状などをご紹介します。施設形態別で全国および愛媛県の医師の年収相場についても同時に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

愛媛県の医療の現状について

愛媛県の人口(推計)は、総数1,294,368人（男性614,796人/女性679,572人）となっています。世帯数は602,724世帯です。（令和5年7月1日時点）

愛媛県の医師数(総数)は3,847人、そのうち医療施設の従事者は3,693人と全国で第27位にランクインしており、四国地方の中では最も多い結果となっています。男女比でみるとそれぞれ「男性医師」は2,994人、「女性医師」が699人となっています。
愛媛県の人口10万人対医師数(総数)も見てみると、288.2人と全国平均269.2人よりも高い水準にあるようです。(令和2年12月31日時点)

令和3年度の医療施設調査では、愛媛県には134施設の病院(全国で21第位)、その中で一般病院が121施設、精神病院が13施設あります。そして1,207施設のクリニック(全国で第28位)が位置しており、医師数同様に医療施設数（病院/クリニック）も四国地方の中ではNo.1を誇っています。前年度と比べてみると、病院数は変わらないもののクリニック数は6施設減少となっています。
同県の人口10万対の施設数は病院10.1施設でクリニックは91.4施設となっていて、全国平均（病院6.5施設/クリニック83.1施設）と比較するとどちらも上回る結果となっているようです。

病床数に関しては、病院が20,405床でクリニックが2,056床となっていて、前年度と比べるとそれぞれ病院が189床減少、クリニックが78床減少です。
人口10万対の病床数を見てみると、病院が1544.7床でクリニックが155.6床とどちらも全国平均(病院1195.2床/クリニック66.7床)を上回っています。前年度との比較はそれぞれ病院が1.9床増加、クリニックが4.3床減少です。

次は、二次保健医療圏について見ていきましょう。
愛媛県における二次保健医療圏は、下記の市町村で構成される6つの医療圏となっています。

二次保健医療圏	構成市町
宇摩医療圏	四国中央市
新居浜・西条医療圏	新居浜市、西条市
今治医療圏	今治市、上島町
松山医療圏	松山市、伊予市、東温市、久万高原町、松前町、砥部町
八幡浜・大洲医療圏	八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町
宇和島医療圏	宇和島市、松野町、鬼北町、愛南町

県内で最も医師数が多いエリアは「松山医療圏」です。このエリアは医師だけでなく医療機関も集中しており、6つの医療圏の中で医療施設数（病院/クリニック含む）も最多となっています。

一方で、最も医師数が少なく且つ医療施設数（病院/クリニック含む）も少ないエリアが「宇摩医療圏」となっているようです。
宇摩医療圏には専門医療に幅広く対応できるような総合病院が少ないために、他の医療圏や他県（香川県など）へ患者の流出が見られています。医療機能の偏りも生じていて、中でも高度急性期と回復期については宇摩医療圏内での完結が難しい状況にあると言えます。
人口構造の推移と見通しにおいては、総人口が減少する中で2030年にかけて75歳以上人口の増加が予想されており、医療・介護の需要は必然と高まっていくことが予想されます。これらに伴い、医療従事者の高齢化なども課題となってくるでしょう。

愛媛県は都道府県別で見ると、医師数が多すぎるわけでもなく、また不足も少ない「医師中程度都道府県」に位置付けられています。医療圏別では、松山医療圏を「医師多数区域」、それ以外の5つの医療圏を「医師中程度区域」としています。
中でも重点的に、医師確保の対策を行う必要がある市町村は「医師少数スポット」とされ、久万高原町と愛南町が選ばれているようです。

愛媛県での医師確保対策は、医師・研修医・医学生、さらには医師を目指す学生へ向けてさまざまな取り組みが行われています。
医師確保対策について、同県における詳しい現状と課題・具体的な対策、個別の診療科における医師確保計画や2次医療圏別の医師確保の方針等は下記をご確認ください。

※出典：愛媛県医師確保計画/
https://www.pref.ehime.jp/h20150/keikaku/keikaku/isikakuho_gairaiiryou.html ）

※出典：愛媛県の医師確保対策事業/
https://www.pref.ehime.jp/h20150/doctorbank/index.html ）

※出典：第7次愛媛県地域保健医療計画について/
https://www.pref.ehime.jp/h20150/keikaku/keikaku/dai7jiiryokaikaku.html ）

※出典：令和３（2021）年医療施設（動態）調査・病院報告の概況/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/21/ ）

愛媛県における医師の年収相場

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、全国の医師の平均年収（男女）は1,428.8万円です。（平均年齢45.6歳、勤続年数6.6年）
愛媛県における医師の平均年収（男女）は1,465.2万円（平均年齢47.2歳、勤続年数9.2年、月間労働162時間）のため、全国平均を約36万円ほど上回る結果となっています。
四国地方の中でみると、愛媛県のほかにも2県（徳島県と高知県）が全国平均年収よりも高い水準にあることが分かっています。

もちろん医療機関や法人、業務内容などによっても年収は違ってくるため、あくまでも参考程度でお考え下さい。
※上記の平均年収は、きまって支給する現金給与額×12＋年間賞与その他特別給与額で算出しています。

※出典：厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/ ）

【施設形態別】愛媛県における医師の年収相場

医師キャリでは愛媛県の常勤医師求人が200件近く掲載されていて、中でも一般急性期病院とケアミックス病院の求人が多い傾向のようです。

ここでは、愛媛県の医師の年収相場を4つの施設形態別にご紹介します。それぞれ施設形態別の求人の傾向なども一部記載していますので、参考にしてください。
※なおデータに関しては、医師キャリに掲載されている求人情報をもとに算出した数値です。

クリニック

愛媛県のクリニックから出ている求人には、一般内科医師の募集求人（職務内容：外来・病棟管理・訪問診療など）や、一般外科医師の募集求人（職務内容：外来）、消化器内科医師の募集求人（職務内容：健診・人間ドック）などがいくつかあるようです。

中には、シニア医師も活躍中！症例件数・医療機器・設備などが充実している心疾患に特化した医療機関求人（職務内容：外来・病棟管理・手術・各種検査）や、土日休み/当直なし/週4日勤務相談可能な健診・人間ドック医師の募集求人などもありました。

一般急性期病院

愛媛県で一般急性期病院の常勤医師求人は、約80件ほどあります。
愛媛県の一般急性期病院の求人には、症例件数が充実している医師求人やシニア医師が活躍中の求人、地域医療に携わりたい先生にオススメの常勤医師求人などが多くあるようです。
もちろん高額年収（1800万円以上）を目指せる求人や、中にはご経験に応じて年収2000万円以上可能な求人も多数ありました。

中には、当直・オンコール無し/週4日勤務可能で医局の縛りがなく働きやすい環境が魅力の病院求人（募集科目：婦人科）や、高額年収可能・希少な麻酔科募集求人なども見受けられます。

ケアミックス病院

愛媛県でケアミックスの常勤医師求人は、約40件ほどあります。
またケアミックス病院の求人が多いエリアは「愛媛県 松山市」となっているようです。

地域医療に携わることができる病院求人や症例件数が充実している求人、高額年収（1800万円以上）を目指せる求人などが目立ちます。

他にも、当直無し/病棟管理・リハビリの勤務/ゆったり勤務が魅力の求人や、駅チカ・通勤便利/医療機器・設備充実/専門医指定医取得（認定施設）可能/回復期リハビリテーション入院料1を取得している、全国でも随一のリハビリテーション病院求人などもありました。

療養型病院

愛媛県の療養型病院の求人には、シニア医師活躍中の求人や、比較的ゆったり勤務の病院求人（主な募集科目：一般内科、総合診療科、整形外科など）が多いようです。
他には、高額年収（1800万円以上）を目指せる/勤務週4日以下OKの病院求人や、希少な小児科医の募集求人（職務内容：外来、病棟管理、検査）などもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

今回は愛媛県で転職または移住などを考えている医師の方向けに、最新の医療の現状や医師の年収相場をご紹介しました。

改めて、愛媛県における医師の平均年収（男女）は1,465.2万円（平均年齢47.2歳、勤続年数9. 2年、月間労働162時間）です。
愛媛県における医師の平均年収は全国平均を約36万円ほど上回る結果となっており、また愛媛県は四国地方の中で医師の求人数が最も多い都道府県です。施設形態別の傾向を見ても高額年収が目指せる求人は多数ございますので、年収1,800万円以上を稼ぐチャンスは十分にあります。

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